各要所における建材の老朽化に伴い今後の安全性、利便性を考慮に入れ、新築工事計画を進めています。
2020年(令和2年)3月
旧本堂の出組(でぐみ)…寺社建築の組物のひとつ…に使われていた肘木(ひじき)部分に、かつての徳恩寺本堂建築の年代や関わった人物名が残っていました。
『明治四拾三年六月四日 竹之内定吉 源春次』
『本堂 大工 竹之内 明治四拾三年新築 徳思寺』
『竹之内五郎 二十一才』
『大工 竹之内猪三郎 廿四才』
『明治四拾三年 四月廿日 大工 ◇市◇ 竹内定吉 源家次』
明治43年は西暦1910年、今(2010年)からちょうど110年前になります。
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2020年(令和2年)2月24日
徳恩寺住職や総代役員の皆様、本堂新築工事に携わる関係者の方々と共に、東京の工房まで依頼していた彫刻の確認に行きました。
新本堂正面に配置される蛙股には型に収まりきらないほど躍動的な龍、虹梁にも仏具である金剛杵(こんごうしょ)や金剛鈴(こんごうれい)、和楽器の笙や龍笛、篳篥、琵琶などの彫刻が施されています。
旧本堂正面の虹梁(下部)の左右にあった鶴と松の修復及び装飾途中の姿です。
旧本堂内の欄間彫刻と同様、立体的な彫りとなっており表裏で違う顔を見せています。
幾重もの羽根や細い脚、嘴(くちばし)、その内部の舌までもがはっきりとわかるようになりました。