各要所における建材の老朽化に伴い今後の安全性、利便性を考慮に入れ、新築工事計画を進めています。
梵鐘を納めていただきました。
表面には当代住職の手による真言や祈願文等が陽刻されています。
クレーンで吊った状態で試しに数回撞いたので、近隣の皆様にはいち早く音色が届いたかもしれません。
しばらくは建築中の鐘楼堂中心に安置され、お堂の完成に伴い吊り下げる予定です。
本堂新築を機に新しい梵鐘を「小田部鋳造株式会社」さんに製造していただいています。
今回は「鋳込み式」に参加させていただきました。
上から10枚目の画像が徳恩寺梵鐘の鋳型です。
本体の大きさは外口径3尺(約90,9センチ)、総高5尺5寸(約166,65センチ)、重量260貫(約975キロ)の大鐘になります。
一番下の画像は「上野木工所」で新本堂の建具を見学している様子です。
本堂階の内陣が出来上がっていく様子です。
内陣の天井は材木を井桁状に組み上に板を張った格天井で、中央部が更に一段高くなっているので「折上格天井(おりあげごうてんじょう)」となっています。
2020年の2月に紹介した龍の蟇股も中央に配置され、その下の虹梁は現場で彫刻の仕上げをしていただきました。
新本堂の切妻屋根の妻側には破風(はふ)があり、それぞれ妻飾りが異なっています。
背面の破風は「木連格子(きつれごうし)」となっており、正面から見て左右の破風には大きな「大瓶束(たいへいづか)」という瓶子(へいじ)形の束柱(つかばしら)があります。
大瓶束の左右にある装飾彫刻が「笈形(おいがた)」といい、下部で虹梁を挟んでいる「結綿(ゆいわた)」の彫刻は建物によって形は様々です。
どの破風の中央にも火除けの願いを込めた飾り板の「懸魚(げぎょ)」があり、新本堂は「かぶら懸魚」になっています。
懸魚の中央上部にある黒い「六葉(ろくよう)」は六枚の葉を六角形に模様化した飾り金具です。
T字型大棟のうち、本堂背面の大鬼は「龍亀」を造形した瓦です。
「龍亀」とは運気の上がる龍の頭に体が長寿の象徴でもある亀という縁起の良い瑞獣で、一説には亀が龍へと転じる途中の姿とも、龍の子供が亀であるからとも言われています。
本堂裏、高台の墓地に上がると一番近くに見られます。